憧れだけで移住しない

あなたは田舎のどういうところに魅力を感じましたか?

きれいな空気?美しい景色?
地方出身の方、旅で訪れたまちに魅かれた方はたくさんいらっしゃいますが、それ以上に、地方に行ったことはないけど、テレビやネットで興味を持たれた方がいらっしゃいます。
我々、田舎サイドからすれば興味を持ってもらえることはとても嬉しいことです。
ゆっくりと過ぎる時間。心地よい風。木々の揺れる音だけが静かに聞こえる。
―まるで楽園。そう、パラダイスオブライフです(なんじゃそりゃ)。

しかし、そのイメージのまま移住しないでください。
何故ならあなたが素敵に思ったのはメディアが創った田舎暮らし像だからです。
(かく言う私も、きれいな風景写真をWebにアップして田舎暮らし像を創るのに加担していますので偉そうなことは言えませんが。)

自然が豊かだということは、虫がいます。たくさんいます。
セミやカブトムシ、トンボなどといった田舎のイメージっぽいものはもちろん、クモやムカデなどもたくさんいます。

田舎は素敵なところです。本当に思います。でもダメなところもあります。
当然、都会だって素敵なところもあるし、ダメなところもあります。
身も蓋もないですが、一長一短です。
シンプルに、どちらの暮らしが肌に合うかです。

私は大阪から地方に移住していますが、別に都会が嫌いというわけではありません。多分死ぬまで大阪の文化もノリも大好きなままです。
ただ、インドア気質(ある意味都会的)なので、毎晩飲み歩くわけでもないし、しょっちゅう買い物に出かけるわけでもないので、都会的なものがないと困るタイプではありません。基本的に引きこもり気質です。でも脳内に刺激が欲しかったりもします。

だったら都会の方が楽しいことがたくさんあって、合ってるんじゃないの?ってカンジですが、誰かが考えたイベントとかにあんまり興味がないというか、楽しめないのです。

2007年に山口県周防大島に移住して、自営業者になって、商工会に所属して地元の小さなイベント作りにゆるく参加させてもらいました。
これが面白かった!楽しかった!私にはハマったわけです。
自分たちでイベントを企画するって、文化祭のノリみたいですが、それに近いものを感じたのです。実際、小さなまちのイベントって子どもたちと看板作ったりして、ホントにゆるいですから。

誰かが作ったイベントに参加するのが楽しい人もいれば、文化祭みたいに自分たちで作り上げることを楽しいと思う人もいます。私の場合は後者で、そこがフィットしたことが田舎暮らしを楽しめるきっかけになりました。

都会でしか暮らせない人、都会が合わない人、田舎がぴったりハマる人。いろんな人がいます。
それに田舎暮らしに興味があっても合わない人だっています。

例に挙げたイベントや地域行事などでは、田舎は過疎っているので出番が多いです。これを楽しめる人もいれば、「面倒くさい」、「ウザい」と感じる人だっています。
こういったことは、まちの規模で変わってきますので、移住先を選ぶ際に考慮してください。
(農業や漁業がある地方って神事を大切にしているところはたくさんありますので、信仰する宗教がある場合は、事前にチェックしておくほうがいいです)。

田舎暮らしを始める前に、自分がフィットするのか知ることは、みなさんのためにも受け入れる側のためにも大切なことです。
そのためには、あなたの田舎暮らし像に輪郭をつけ、情報収集をして、実際に現地に行って五感を使って感じることです。

一つ一つ、順を追って進めていきましょう。

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いずたに かつとし

2007年、大阪より周防大島町にIターン。2009年、ファイナンシャルプランナーとして起業。2012年より周防大島町定住促進協議会に参画。全国で唯一の「田舎暮らしの家計相談もできる窓口」として移住者目線の提案をしている。 また、総務大臣賞を受賞した地方創生動画「回帰」や、「シマグラシS錠」などのPR企画も手がけている。 2017年より総務省地域力創造アドバイザーとしてセミナー・ワークショップの講師として全国で活躍中。 →「いずたに」で検索

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