ワーケーションは定着する?

2015年ごろから、政府は人口の一極集中を是正するために地方創生・地方移住に取り組み始めました。
調査では4割近くの人が田舎暮らしに関心があると結果が出たため、順調に進むと思ったのでしょうが、仕事やお子さんの学校のことがあるので、当然ながら期待通りには事は運びません。

そのことに気づき、段階的に地方移住に目を向けてもらおうと、関係人口の増加を目指す方針に切り替えました。
個人的には、この方針は良いと思うのですが、政府がそればかり言うと、地方自治体は関係人口増加に一生懸命になりすぎて、目的を見失いなわないか心配です。

そして昨年からのコロナ禍でリモートワーク・テレワークを導入する企業がチラホラ出てきたことで政府が言い出したのがワーケーションです。ワーケーションは「ワーク」と「バケーション」の造語で、地方で旅行気分を満喫しながら、素敵な環境で仕事もしちゃいましょうってことです。

今、ワーケーション施設をあちこちのまちが整備しています。
そんなに使える人がいないのに。

ネット上には、ワーケーションをプッシュするサイトや記事がたくさんあります。ワーケーションできる業界の人が書くから当然です。
そんな「世の中のトレンドは俺たちが作っている」とか思ってそうな業界の方が書く提灯記事が増えても浸透しづらいのが現状です。

IT系やフリーで働いている人(PCで仕事ができる人)には良いと思いますが、それ以外の長期休暇が取れない方、例えばコロナで大変な飲食業や接客業、医療従事者など大半の業種の方には関係のない制度です。
そもそも仕事や通勤で疲れている人は田舎に来てまで仕事したくないです。若い方ならうまくできると思いますが、きっと大半の方って仕事は仕事、休日は羽を伸ばして休むと、メリハリをつけたいと思います。

個人的には、移住を考えている方なら、2週間以上の長期休暇があれば、ワーケーションでバカンス気分を味わうのではなく、自治体などが実施している「お試し暮らし制度」を利用して、田舎の暮らしを知るほうが有益だと思います。

あちこちの田舎が施設を作って誘致しても、利用者の分母は少ないし、利用者は有名な観光地にあるワーケーション施設や東京から好アクセスのまちを選ぶと思います。なので一部のまちだけがうまく稼働すると思います。
ワーケーションの定着は、すぐは難しいです。定着するにはかなりの時間がかかると思います。
そのころには、今作ったおしゃれな施設はダサくなってしまいます。
それなら地元の方にも利用してもらえる、移住・交流センターのような施設の中にテレワークスペースを併設するほうが稼働率も上がるのではと思います。

・・・みたいなことを考えて移住施策に取り組んでいる自治体さんもたくさんあります。
しっかり将来を見据えているまちに移住してくださいね。

 

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いずたに かつとし

2007年、大阪より周防大島町にIターン。2009年、ファイナンシャルプランナーとして起業。2012年より周防大島町定住促進協議会に参画。全国で唯一の「田舎暮らしの家計相談もできる窓口」として移住者目線の提案をしている。 また、総務大臣賞を受賞した地方創生動画「回帰」や、「シマグラシS錠」などのPR企画も手がけている。 2017年より総務省地域力創造アドバイザーとしてセミナー・ワークショップの講師として全国で活躍中。 →「いずたに」で検索

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