資本主義は悪くない
数年前に「里山資本主義」なる本が新書大賞を取るほどめちゃ売れし、当時はプチブームになり、若い世代が暮らす場所を考えるきっかけの一つになりました。
里山資本主義が売れ、田園回帰が活性化されると、「資本主義に搾取されるな」的発想になる方もチラホラ見受けました(本の主旨はそうではないです)。
個人的には資本主義は悪くないと思いますし、お金は必要だと思います。
私、ファイナンシャルプランナーですしね。
当然、里山資本主義の否定でもありません。
パナソニックの創業者・松下幸之助さんが従業員さんに話したエピソードにこういうのがあります。
この電球はどこで光っているか知っているか?
子供たちが絵本を読んでいる。
すると、外が暗くなる。
家の中はもっと暗くなる。
そうなれば、 どんな物語も途中で閉じなあかん。
でもな、あんたがみがいている電球一個あるだけで、
子供たちのドラマは続行や。
あんたは電球をみがいているんやないで。
子供たちの夢をみがいてるんや。
子供たちの笑い声が聞こえてこんか?
物作りはな、物を作ってはあかん。
物の先にある笑顔を想像できんかったら、
物を作ったらあかんのやで。
子供たちの夢のために、
日本中、世界中にこの電球を灯そうや。
(「地球の名言」より)
このエピソード、大好きなんです。
私は会社のトップにこんな言葉かけられたら仕事に誇りを持てるし、会社のために頑張ろうという気持ちになれます。仕事の本質が込められています。
幸之助さんだけじゃなく、本田宗一郎さんや稲盛和夫さん、みなさん同じです。
お客さん、従業員を大事にした経営です。
昔の日本は資本主義に心があったのです。
(私は「思いやり資本主義」と呼んでますが)
恐らくみなさんは「ムリ・ムラ・ムダをなくす」的な合理的資本主義に疲弊しているのだと思います。
企業間競争の結果、日本特有の「おもてなし」も心がなくなり形骸化してますしね。
私たちは誰かのために頑張ること、誰かの役に立つことに喜びを感じる事ができます。またその姿に美徳を感じたりします。
仲間と力を合わせ、大切なものを守り抜く「鬼滅の刃」の鬼殺隊の姿もそうですよね。
なぜこんなことを急に書いたのかというと、失われつつある、人を大切にする資本主義が地方には残っていると感じているからです。
だから、合理的資本主義を地方に持ち込まれるのは怖いなと思ってます。
地方を食い物にはされたくないので。
(地方自治体は自分達で考えるということができるようにならないと、いつまでも搾取されます。)
都会での生活に違和感を感じる方は、資本主義を頭ごなしに否定するのではなく、心の通った資本主義を探してみてはいかがでしょうか。
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